| 旅の記録 上海へ 成田から上海へはＪＡＬで。ただ中国東方航空とのコードシェア便で、機内食は「国内便？」と突っ込みたくなった。 予定どおり浦東国際空港に到着して、エアポートバスで上海駅まで１８元で。夕方で雨だったからか通常１時間くらいの道のりが３ 時間近くかかった。 予約してもらっていた上海駅近くの中亜飯店にチェックインしてしばらくすると、誰かがドアをノックする。開けて見ると見知らぬ中国 人男性が。「陸と申しまス．．．．」と。なんと２時間以上も前からホテルで自分の到着を待っていたらしい。「なかなか着かないので 心配してましたヨ．．．」と。 陸さんは夕食とその後１時間ほど夜の上海を案内してくれた。ただ雨が降っていたのでタクシーがなかなかつかまらず、結局、外灘 を少し見てあとは少し車からの案内だった。 ５年ぶりの中国の初日だったので、陸さんの心遣いがありがたかった。 雨の上海、そして南京へ 翌日、２時のバスで南京へ移動なので早朝から外出してみたが、あいにく昨日以上に雨が大降りだ。地下鉄に乗って少しあっちこっ ち行ってみたが、土砂降りの雨でなかなか思うように動けない。 そうこうしてるうちに約束の１時近くになったのでＨＯＴＥＬにひきあげチェックアウト。ロビーには運転手の包さんがすでに待っていた。 包さんの運転で虹橋にある南京行きの長距離バス停へ。ちょうど虹橋賓館のそばだった。 包さんが、しきりに朋友の彼のことを話していた。「彼は人望があって中国人のローカルに人気があった」らしい。 南京行きのバスは１時間以上も遅れてやってきた。包さんが「金陵ＨＯＴＥＬで降りるんですよ」と何度も言っていた。そこに迎えのヒト がくるらしい。 順調に上海の街を抜けたところまではよかったが、料金所をすぎたとたんに渋滞になった。やはり明日からメーデーの連休なので 高速も車がいっぱいみたいだ。途中１回のトイレ休憩だけだったが、南京に到着したのは出発してから６時間近くになっていた。通常 の倍ちかく時間がかかったことになる。 最初に南京ヒルトンに停まって、次に金陵飯店についた。バスを降りてうろうろしてると自分の名前を呼ぶヒトがいる。その若い日本 人は朋友の後輩らしい。あとひとり中国人のヒトがいて自分の汚いバックパックを持ってくれた。 いっしょに金陵ＨＯＴＥＬにはいり２階の日本料理屋さんに行くと、朋友が中国人のヒトたちと待っていた。 「おぅ！久しぶり！」と声を掛けると、「待ちくたびれてもう食事しちゃったぞ」と。中国人のひとたちは同僚らしく、自分を紹介するため に集まってもらったらしい。青島ピーチョーを一口飲んだら、バスの長旅の疲れも吹き飛んだ。 その後彼のコンドミに着いたら、もうすでに１２時近くになっていた。 南京で過ごした日々 翌日から５日間は朋友のコンドミでうだうだ過ごす日々。 彼は、連休だというのにときどき突然仕事に出かけてしまうし。いればいたでまだ残っている引越し荷物の整理をしたり。 こっちもこっちで、彼がいてもいなくても、勝手にちょこちょこ出かけてふらふら歩きまわってもみた。 そんななか、することがなくなると「マージャンやろう！」と、ローカルのスタッフを携帯で呼び出す。彼がマージャンをするなんて知ら なかったが、聞いてみると、去年上海でＳＡＲＳが流行した時に出かけることもできなくなり、どうしようもなくなって現地の日本人スタ ッフがマージャンセットを買ったらしく、今回引越しのときにそれをもらってきたらしい。去年は約１ヶ月ほど、ローカルスタッフも含め てマージャンのお勉強会なるものをよくやっていたらしいのだ。自分はと言うと、学生のときにつきあいで数回やっただけでほとんど 素人。しかしローカルはお金がかかっているのでやる気マンマンなのだ。中国まで来てマージャンのお勉強をしようとは。て言うか、 中国が本場なのだが。て言うか、今回街なかを歩いていて、中国人がどれほどマージャンが好きか（ていうか賭け事が好き？）がよ く分かった。 夜になると、突然彼の知り合いの家へ行って食事をしたり、携帯で知り合いを呼び出して食事をしたり。 極めつけは「オーストリアフィルハーモニーコンサート」だった。彼の仕事の知り合いに誘われて、行ったまではよかったけど、食事を した後で行ったものだから半分以上は寝ていた。そりゃ、白酒でカンペイした後じゃ、いい子守唄ってことでしょう！？ それにしても、日本でもクラッシクのコンサートなんか行ったことないのに。   そして、肝心の南京観光というと、彼は「オマエひとりで行ってこい．．．」と、まるっきり案内する気もない。知り合いだと言う王さん（南京の大学４ 年生で日本語学科の学生）を案内役に、そして運転手付の車（彼の会社 の）を用意してくれた。上海のときに仕事で南京には何回も来てるていう こともあるのだろうけど、基本的に中国を観るということに、今だに興味が ないようだ。  そんなことで、５日間うだうだ過ごすなかにも適度にメリハリが効いた南京生活だった。て言うかよく飲んで食ったよ。 ふたたび上海へ 最後の日、彼の会社の車で上海の浦東空港まで送ってもらうことになった。６時間近くかかって来たあの高速道路を帰っていくのだ。 「送らないから．．．」と言う彼は、車の近くで振り向くと、コンドミの４階のベランダから手を振っていた。 こんどはいつ会えるかわからないけど、またアイツと以前のように旅に出かけてみたいなぁ、と思った。 帰りの高速はウソみたいに空いていて、運転手が飛ばすのもあって順調そのものだった。上海には３時間かからずに着いた。時間 的に２時間ほど余裕があったので、浦東空港まで行かず街なかで降ろしてもらうことにした．．．のはいいが、この運転手さん南京 語以外はまるっきり分からない。ようやく「人民広場」は字が分かったみたいで、そこで降ろしてもらった。 そこからタクシーを拾って、多倫路と豫園に行ってみた。暑いくらいによく晴れていた。ていうかヒトばかりだった。 今回は旅というより、朋友をたずねて行った。 ていうよりほんの短い間だったけど、南京で生活したという感じだ。 南京は大都会だが、上海と較べるとまだまだ素朴な雰囲気が残っていて、日本人在住者も上海や急速に多くなっている蘇州などよ りはるかに少ない。ただ、南京にもう長く暮らしている朋友の知人の日本人が「街中の庶民的な食堂や火鍋屋さんなんかは、ここ４ 〜５年ですごく少なくなってしまって、ある意味寂しいね」と言ってが、中国の大都市はどこへ行っても同じなんだろう。 旅を終えて、以前よくバンコクの彼のコンドミですごした時間と空間が、自分自身に甦ってきた。  |