２００２年１２月２９日から約２週間ヨルダンとイスラエルに行った。
初めて行く中東への旅は、不安と憧れの入り混じった感慨を胸に出発することとなった。
旅のはじまりは自分の想いへのはじまりでもある。今回の旅は自分の中で急速にふくらみはじめた中東への関心を、自分の肌で感じてみることで何かを消化してみ
たいということから始まった。９・１１の衝撃は、その裏に隠された、というより見ようとしてこなかった自分への反省へと変化していった。今、世界はどこへ行こうとし
ているのか。そんな素朴な疑問に、理屈や情報の中で判断することすら疑い深くなってしまう中で、やはり肌で感じてみることで、何かが見えてくるかもしれない。
（アンマンへ行く）
こまったもんだモスクワは
日本から中東への直行便はない。南周りで行くには、マレーシアのＫＬやＳＩＮＧＡＰＯＲＥやタイのＢＫＫからのトランジットが一般的だ。
その他は、アムステルダムやフランクフルトやローマなどのヨーロッパ経由やトルコやエジプトなどの中東経由がある。
今回は一番安い（はずだったんだけど．．．）モスクワ経由のアエロフロートだった。１０月にＢＯＯＫした便は１１月になっていきなりフライトキャンセルとなってしまった。
アエロフロートらしいなぁ、って言ってる場合じゃない。マジ頭きたゾ！それから他のエアーを探してみたけど、はじめの日程の便はもうすでにキャンセル待ち状態。
そりゃそうだよなぁ１１月半ばだもんなぁ、と、ほかの旅も探してみた。南の孤島でサバイバルでもすっかなぁ、とか。いずれにしてももう時間ないっすよ。
そんなこんなで１２月も半ばになったとき、代理店から「２９日出発ですけど、キャンセル出たので連絡させていただきました」と電話が入った。ほうほう！？
腹をすかしたイヌのように「い・い・いっきま〜すぅぅ！」と即返事。したのはよかったんだけど、よく考えてみたら土曜発なのでやっぱ高いわ。
結局、ヨーロッパ経由の平日発とあまり変わらない値段になってしまった。しかたない。
そんなことで、一度あきらめていた中東の旅だが、何も準備してないよ。さっそく情報入手やビザ取得（イスラレルは不要、ヨルダンは無料で１週間あれば発行可）
などと、ドタバタの出発になってしまった。余談だが、日本のイルラエル観光協会には無料の詳しい観光資料がたくさんあって、ボクも郵送でたのんだんだけど、
日にちが間に合わず、入手したのは旅から帰ってきてからだった、というオチがついた。バカじゃん！
１２月２９日、成田から初めてのアエロフロートでモスクワに飛んだ。
アテンダントの男性が機内インフォメーションをするのだが、最後にお約束の日本語案内がロシア訛り（ある意味方言？）で、自然と顔がほころぶ。笑かすなぁコイツ。
機内食はマジ期待していなかったんだけど、予想に反してよかったです〜ぅ！ていうか、飲み物のサービスでボクのとなりの席の男性（日本人）がビールを頼んだ。
けど、いきなり座席の下にあったビニール袋からコンビニの？寿司パックを取り出して食い始めたのには驚いた。よっぽど腹がへっていたのだろうか？これまで
何十回と飛行機に乗ったけど、初めて見た光景だ。長生きしてみるもんだなぁ、とミョーに納得した。ていうか、すぐ出された機内食もしっかり食っていた彼に、
日本もすてたもんじゃないなぁ、と心強く思った．．．．もうエエって。
窓の外には飛行機が日本海に抜けるのが見えた。日本海を空から観るのは韓国へ行ったとき以来の２回目だ。東シナ海はもう飽きるくらい観てきたけどね。
ロシアに入ってからは雪に覆われた荒涼とした大地が広がる。これがシベリアか。さっぶそ〜ぅ！段々暗くなってきた。日本とモスクワの時差は６時間らしい。
機内ではなんか古いハリウッド映画（名前も知らない）をやっていたんだが、吹き替えがイケてた。抑揚も感情もない棒読みに近いロシア語なのだ。やる気ナシだな。
そんなことで、いつものように（今回は特に）退屈な時間が無意味にすぎていく中、飛行機は成田から１０時間後にモスクワ空港に到着した。
窓の外は雪・雪・雪。到着直前に機内アナウンスでモスクワの今の気温が−１８℃だと言っていた。−１８℃？．．なんかピンとこないゾ！冷凍庫の中？マジっすか？
飛行機を降りると、トランジット専用のイミグレに行った。トランジットでイミグレはおかしいな。でもそう書いてあるのだ。ようわからん！？
待つヒトはそんなにいないのに、そこを通過するのに１時間ほどかかった。さすがロシア、簡単にはいかないなぁ、と、そんな冷静な判断もそこまでだった。
やっとコントロールブース（ロシア人係員いわく）を出たんだけど、トランジットホテルに行くにはどうすりゃいいんだい！近くにいた男のヒトに聞いてみたら、「ちょっと
待って」とどっかへ行ってしまった。しばらくして女性がいっしょに来て「１０番ゲートのところへ行け」と言う。それからは男性にはものを聞くのをやめた。トロい。
１０番ゲートの外のところ壁のに「トランジットホテル・ミーティングポイント」と書いてあった。そっか、ここで待ってればいいんだ、と、思ったのが運のツキだった。
そこにはすでに数人の外国人（あたりまえっちゃああたりまえだが）が待っていた。それから待つこと１時間、しびれを切らしたアメリカ人の男性がどっかから
女性を連れてきた。やって来たサボリンスキー（名前を聞いたわけじゃないが、だいだいそんなもんだろう）は「係りのものを連れてくるから、少し待ってて」
とか言って、またどっかへ行ってしまった。恐るべしロシア人！乗客のコンプレインにひるむこともなく、すぐどっかへ行ってしまうとういお決まりのシカトで対応だ。
それからまた１時間ほど待たされて・・・・（中略）・・・・最終的に３時間以上も待ったあげく、例のサボリンスキーがナニモイワノフ（こいつもそんなもんだろう）を連れて
やってきた。あとで気がついたんだが、モスクワ空港の係員はほとんどが女性だった。「さあ、こっちへ一緒にきてください」とやっと案内してくれた。それまでに、
ノボテルのトランンジット乗客は１時間以上もまえに案内されて行ってしまった。値段の差でこんなにも対応が違うのか？あからさまに露骨なやり方にブチ切れ。
それから何故かまたあのコントロールブースを通過するはめとなり、やっとバスに乗ったのはまた４０分以上もたってからだった。バスにはなぜかあの
ナニモイワノフが一緒に乗ってたが、もじどおり終止なにもしゃべらなかった。乗ってる意味ナシだな。
空港からソユーズホテルまでは結構あった。ノボテルは空港のすぐそばだったんだけど。２０分くらい雪の中を走ってホテルに着いた。ホテルはショボかった。
ホテルでは一般の客とトランジット客は完全に分けられていて、客室も階が分けられてるようだ。チェックインのときに明日のピックアップ時間を聞いたら、
「１２：００ころですね」と言ってたのでゆくりできるなぁと思った。トランジット客用のエレベーターの近くには男の係員みたいなヒトが二人いた。二人ともぶっきらぼうな
表情で、いかにもロシア人っぽい。トランジット客がほかに行かないように見張ってるようにも見える。オレらは囚人かぁ！？
部屋にはちっちゃな昔風のヒーターしかなくすっげぇさっぶい。窓の外の雪を見てると体が硬直してしまいそうなくらいだ。言ってもムダだろうなぁと思ったけど、
フロントに電話して「遭難してます！さっぶいです！凍死してしまいます！」と訴えたが、ロシア訛の英語で簡単に却下されてしまった。平和主義者の自分だが
このときばかりは．．．ロシアと戦争したい！日本に帰ったら小泉さんに相談してみよう！と思った。ていうか、サクサクシャワーしてとっとと寝た。
アンマンへ行くぞ
明けて次の日。電話の音で起こされた。「もう空港行きのバスが出るからすぐ下りてきてください」と言ってる。時計を見たらまだ９：００過ぎじゃないかよ。なぁ。
昨日は１２：００ころって言ってたじゃん！なんだろうなぁコイツらは。たぶん言ってもムダだろうと思い、さっさと支度してロビーに下りていった。
ロビーには数人がもう待っていた。昨日の人数より少ないのはフライト時間が早朝のヒトはすでにもう行ったってことか？チェックアウトをしてしばらくしたらバスがきた。
外へ出たら小雪が舞っていてバリ寒いじゃ〜ん！いそいでバスに乗ろうとしてあやうく滑りそうになった。こんなとこでころんでロシア人に笑われたらマジくやしい。
昨日は夜であまりよく見えなかったけど、ホテルの近くは住宅地らしく、たくさんアパートみたいな建物が建ってた。空港に行く途中にマックがあった。
そこで初めて朝食のブッフェを食ってなかったことに気がついた。遅っ！気がつくととたんに腹がへってきた。時間があったら食べられたのにとマジくやしかった。
空港に着くとまたあのトランジットイミグレに行き、コントロールブースを通過。昨日から何回ここを行ったりきたりしてんだろうと、わけもなく情けなかった。
最後にそこでボーディングパスをくれた。９番ゲートらしい。まだまだ時間いっぱいあるよ。とりあえずフラフラしてたら腹へってることを思い出した。
ちっちゃいブースのデリカのようなところでサンドウィッチがあったので値段を見たら、一番安いハムサンドが＄６もする。モスクワ空港ボッタクリじゃ〜ん！
まるで闇金融なみだ。ここへきて朝食ブッフェがかなりきいてきた。思い出すと腹たつがしかたない。ディユーティーフリーに入って一番安い食べ物をさがした。
ＴＷＩＸの４００ｇが＄３だったので、それとミネラルウォーターを買った。９番ゲートの前の椅子でひたすらチョコを食い水を飲んでいた。２時間ほどしたら、
ゲートのボードに載ってたアンマン行きＳＵ４９５便が急に消えてしまった。Ｗｈｙ？？？１時間くらしても消えたままなのでさすがに気になってトランジットオフィース
に行って聞いてみた。１２番ゲートに変更になったらしい。油断もすきもあったもんじゃないぜ、モスクワ空港は。１２番ゲートの近くでミニコンサート？をやっていた。
ＳＵ４９５便はエアバスでロイヤルジョルダンエアーの機体だった。共同運航みたいだ。時間どおり出発した。機内のちっちゃなモニターでおもしろいものを見た。
到着時間やローカル時間を映し出す画面の合間に、飛行機の絵といっしょに矢印が出る画面がときどき映し出される。初めはなんじゃこりゃと思ってたんだが、
しばらくしてどうやら矢印がメッカの方向を指してることなんだと気がついた。マレーシアやインドネシアのホテルの部屋にはメッカを指す矢印をよく見るけど、
飛行機にまでかヨ！ていうか、機内でお祈りってするワケ？？？前、スリランカによく行ってたころエミレーツに何度か乗ったけど、そんなのなかったなぁ。
ようやくアンマンに着いたのはもう夜８時近くだった。イミグレも問題なく通過してディナールに両替もした。外へ出たらオジサンがどこへ行く？と聞いてきた。
アンマンへ行くと言ったら、こっちへこいタクシーで行けというので、バスで行くんだよと言うと、そうかそうか、バスはこっちだぞとおしえてくれた。
１５分くらいで出発するらしい。１．５ＪＤでチケットを買った。バスのところへ行くとさっきのオジサンが１＄くれと言う。チップの要求みたいだ。丁重にお断りした。
バスは８：００ちょうどに出発した。１時間に１本ちょうどの時間に出発するみたいだ。初めてのアラブに少し興奮してきた。エアーポートエキスプレスバスは高速
道路をとばして行く。んだけど、途中何度か止まってヒトを乗せたり降ろしたりした。高速道路のまわりに何もないところでヒトがひとりとか待ってたり降りたりする
のはフツーに考えるとおかしいっしょ。でもここはアラブの国。ミョーな納得ができるから不思議だ。そうこうしてるうちにアブダリのターミナルに着いた。
バスを降りたらすぐにタクシーが「どこへ行く？」「ダウンタウンか？」と何人も聞いてくる。今回は準備不足もあり、日程もだいたいにくらいしか考えてなかった。
アンマンに来る途中でさんざん迷ったあげく、最初にイスラエルに行くことに決めた。情勢不安ということもあるし、まず国境が越えられるかどうかもわからなかった
ので、最初に行ったほうがいいと思ったからだ。なんで、明日は早くからバスに乗らなくてはいけないので、今日はアブダリの近くで泊まろうと考えていた。
タクシーの呼び込みにＮＯと言ってたら、ひとりの子供が「今日はどこに泊まるんだ？」と聞いてきたので、このホテルだよと言うと、もっと安いとこあるよと言う。
どこに？と聞くとついてこいと言って歩き始めた。不安もあったけど子供だし、見るだけでも見てみるかとついて行った。アブダリから少しだけダウンタウンの方
に歩いたとこだった。外観はちょとアヤシイが、聞いてみるとすべて込みで１０ＪＤだと言うし部屋も一応ちゃんとしたホテルみたいなのでＯＫにした。
チェックインして部屋に行ったらすぐに、さっきの子供とフロントのスタッフが部屋にきて「お前は一人で来たのか、この子に連れてきてもらったのか？」と聞く。
その子といっしょに来たんだと言うと、その子供がうれしそうにスタッフを見ていた。たぶん客を連れてきたらマージンがもらえるんだろう。
少しして外に出てみたが、もう夜も遅いのでほとんどの店が閉まっていた。ホブス屋が一軒開いていたので揚げパンとかホブスを少し買った。めっちゃ安いし
ホブスは「もう少しもってけ！」と余分にくれた。ホテルに帰って少ししたらやたらウルサイ音が聞こえてきたのでフロントに聞いてみたら、地下にナイトクラブ
（スタッフいわく）があって夜中の２時くらいまでやってるらしい。即部屋を変えてもらった。メリーランドホテルは案外穴場だけど、女の子には少し？かもな。
アエロフロート機 ソユーズホテルから ロシアのマック 空港でのミニコンサート メリーランドホテル
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