2002年８月８日から１0日間ほどでミャンマーへ行った。
　　　たくさんのパゴダでたくさんのお祈りをした。そして自分の心の居場所を少しづつ見つめていた。

　　　旅のはじまりは自分の想いへのはじまりでもある。今回の旅は「お祈りの旅」．．．大人になってからヒトのために何かを心から祈ったという記憶がない。
　　　心からというのは、自分の中から自然に、そして素直に生まれる気持ちなのだと思う。日常のなかでそんな気持ちが湧き上がることもなく過ごす毎日。
　　　そして．．．ボクはまだ行ったことのないミャンマーという国で、そんな想いになれるかもと旅立った。

　　　マンダレー

　　　ヘーホー空港は恐ろしく何もない。ここだけは、チェックインタイム前にチェックインしてくれた、が、搭乗券を渡されるときに「フリーシートです」と言われたので
　　　もう一度確認すると、空いてる席にどこでも座っていいということらしい。あとでわかったんだけれど、ミャンマーの国内線は主要空港を回りながらもどってくる
　　　というフライトが一般的らしい。だから最初の出発は席を決めるけれど、あとの乗り継ぎフライトはフリーシートらしい。何でも先着順なのか？
　　　ヘーホーからマンダレーまでは３０分くらいで着いてしまう。乗って飲み物が出たらもう着陸準備になる。マンダレー空港も田んぼの真ん中にあるって感じだ。
　　　ただ、空港ターミナルは最近できたのかやたら新しくてでかい。そして中は何もない。案内にはレストランとかいろんな設備が書いてあるけどまだできてない。
　　　空港のインフォメーションにひとり暇そうに女の子が座っていたので、両替できるところはないか聞いたら、わからなみたいだった。ていうかきっとないと思う。
　　　手持ちのチャットがもうほとんどなくなっていたので両替したかったんだけど。空港でなんてするところがない。その子はわるいと思ったのか気が利くのか、
　　　ホテルはもう決まっているのかと聞いてきた。一応決めてるけど行ってチェックインしてみると言うと、電話してやると電話ボックスまで行って持ってるカードで
　　　電話してくれた。何度かコールしたんだけどビージーらしい。もういいからと言うと、別のホテルも聞いてみるかと言うのでアリガトウと言ってわかれた。
　　　外へ出るとタクシードライバーがやってきてダウンタウンまで＄８か５０００Ｋだと言う。思っていたより格別に高い。そこにいたドライバーのほとんどに
　　　聞いてみたが、みんな同じ答えだった。５０００Ｋだったらまだなんとか許容の範囲だけど＄８は高すぎる。なんとか粘ってひとりだけ＄７でいいというのがいた。
　　　やっぱりニャウンシュエでチャットの両替をしとけばよかったと後悔した。
　　　空港からマンダレー市街までは込んでなければ４０分ちょっとで行く。マンダレーはミャンマー第二の都市らしく、やはり都会だった。
　　　マンダレー鉄道駅をすぎて、一応決めていたガーデンホテルまで行った。部屋は古くて綺麗ではないけれど部屋にトイレ・シャワーがついてエアコンつきで
　　　＄５だったし、もう薄暗くなっていたのでここにした。しばらく荷物の整理をしてすぐ夜ゴハンを食べに出かけた。ホテルの前に「おやじ食堂」っていう看板をかけた
　　　屋台風のメシ屋があった。日本人っぽいオジサンがひとり食事していたが、なんかもろ道端の屋台風なのでやめた。サイカーが「どこへ行く？」とうるさい。
　　　しばらくブラブラしてしてたら、いつもの癖ですっごくブラブラしていた。適当なところがないなぁと歩いていたらもう駅のほうまできていたんだけど、ヒトがあんまり
　　　入っていなくていわゆるビルマカレーのお鍋が結構並んでいる食堂があったので入ってみた。「ご飯？」って聞くとそうだと言うので、「チキンカレーはいくら？」
　　　と聞くと「３５０Ｋ」だというのでそこにした。出てきたのはカレールーとご飯と野菜とスープで、ヤンゴンで食べたのと比べてたくさんあって超ウレシかった。
　　　お客さんはボクのほかに一人しかいなかった、っていうのもあるんだろうけど店の男の子二人がずっとボクが食べるのを見ていた。ちと気になるじゃん。
　　　テーブルにはご飯が入った鍋がおいてあって、ご飯はお代わり自由だった。大メシ食らいにはたまんないっす。もちろんお代わりした。
　　　腹いっぱいになって幸せだった．．．ちっぽけな幸せじゃん。帰るとき店の男の子の一人が「食べ方がうまいよ」というようなこと言ってた。きっとフォークとスプーン
　　　の食べ方が日本人ばなれしてた？んじゃないのかなぁ。ていうかボクはSINGAPOREで毎日フォークとスプーンの食生活をおくってたんだよ。
　　　ホテルに帰る途中ビールを買った。ヤンゴンのマーケットで見かけたときは３５０Ｋとか書いてあったと思ったけど、ここは３００Ｋもしないし、ミャンマービール
　　　よりタイガービールのが安かった。ＳＩＮＧＡＰＯＲＥのタイガービールをミャンマーで生産しているらしくて超安く手に入る。タイガービールは高いという感覚の
　　　ボクには夢のようだった．．．．やっぱちっちゃい夢やなぁ。
　　　ホテルへ帰ったら、ロビーでホテルのスタッフがＭＴＶを観ていた。「ニュースは見れないの？」って聞くと、ミャンマーのニュースは時間が決まってて今は
　　　やってないと言う。ＭＴＶは衛星放送なんだからＣＮＮとかも見られないの？と聞くと、ミャンマーでは外国のニュースの放送は禁止されてるらしい。
　　　それからその彼（名前はティウインっていう）としばらく話していた。ミッチーナからマンダレーに働きにきていて、家族はミッチーナにいるらしい。ヤンゴンにも
　　　行ったことがない、ていうよりマンダレーとミッチーナしか知らならしい。月給３０００Ｋの中から家族に仕送りしてると言っていた。こんどマンダレーに来たら
　　　絶対ピンウールインとティーボーに行けと言ってた。特にピンウールインには中にパゴダがある洞窟があってすばらしいらしい。
　　　ていうかビールを持ってるのを忘れてたよ。部屋に帰ってシャワーをしてビールを飲んだ。超久しぶりのタイガービールだ。ウレシイ！
　　　次の朝は久しぶりにゆっくり起きた。ていっても８時には目がさめていたけど。
　　　朝起きたら足と腕のところがマジかゆい。なんか赤い点が２〜３箇所ある。どう見てもダニだよこりゃ。ていうかダニなんて何年ぶりだろうか？ていうかかゆい！
　　　どんなもの食べたり飲んだりしても腹こわさないのと、不思議と虫とかダニとかに好かれないのが密かな自慢だったりしたんだけど。少しへこんだ。
　　　朝食（トースト２枚、スクランブルエッグ、バナナ２本、コーヒー）を食べてから、とにかくマンダレーヒルに行くべ、とホテルを出た。サイカーがいっせいに
　　　「どこへ行く？」声をかけてくる。
　　　マンダレーではヤンゴンよりずっとサイカーが目立つし、生活に密着している感じがする。路線バスもあるが、ヤンゴンほどには目立たないし、ピックアップの
　　　方がよっぽど目立つ。それとピックアップの止まるところはかならず果物売りとかが店を出していて、トラックやバスがとまるたびに売りにくる。
　　　「マンダレーヒルまでいくら？」と聞くと「８００Ｋだ」という。冗談じゃねぇよ。オマエのサイカーはロールスロイスかぁ！？何人かやってきて話に加わってきた。
　　　その中の一番若い男の子？が「王宮へも行ってあげるよ。時間はかかってもいいから」と言い出した。しかしとにかく８００Ｋらしい。いつまでやっていても
　　　変わりそうな雰囲気じゃないのでその彼にした。ピックアップとかだともっと安く行けるんだろうけど、あれに乗るのはまだ不安があった。
　　　まずマンダレーヒルに向かった。もっと遠いのかと思ってたんだけど、案外近かった。王宮のお堀？の周りをまわっていく。参道の一番下で彼を待たせて
　　　とにかく参道の階段を上っていった。あの暑いなかではマジきつい。途中で２度ほど休んだ。参道にはお土産屋さんとか休憩のお店とかがある。その中で
　　　木製のお土産を作るのを見せて売ってるところがあった。リストの数珠も売っていた。あとで後悔したんだけどあそこで買っておけばよかた。お土産だから
　　　街なかのほうが安いだろうと思ったんだけど、あとで探しても売ってるところがなかった。いつもは台湾で買ったのをしてるんだけど、新しいのが欲しかった。
　　　やっと頂上までついた。見晴らしはとてもいい。マンダレーの街を上から眺めると、道が碁盤の目のようにまっすぐなのがよくわかる。それと
　　　王宮の広さもハンパじゃないこともよくわかる。ただ裏側に回ってみるとそこはどこまでも田舎の風景で、のどかな感じをうける。
　　　あとで気がついたんだけど、途中から上りのエスカレーとかがあるんで、きついのがいやなヒトは利用したほうがいいかも。
　　　下りるのは半分の時間もかからなかった。ドライバー君はサイカーに乗って寝てた。
　　　王宮へ行くと門の前で入場チケットを買うんだけど、そこでパスポートを見せなければいけない。そんなことより、サイカーのドライバー君が「ここからは行け
　　　ないのでここで待ってるよ」と言う。入るのにお金がかかるのだろうかと思ったけど、そんじゃここで待っててよと言って門から歩いて入っていった．．．ん？
　　　なんじゃ！道ははるか先まで続いていて宮殿らしきものが見えない。そのときあらためてマンダレーヒルで見た王宮の広さを思い出した。トホホだな。
　　　昼ちかくでとっても暑い中をとぼとぼと歩いていった。車や自転車が行き交うなか歩いているヒトなんてほとんどいない。ていうか、田んぼがあるよ、
　　　王宮のなかでお米作ってるんだ。鉄道のレールがあったりとにかく広い。行き交うヒトのなかに軍人みたいなヒトが多かったんだけど、なかに軍の施設が
　　　あるのかもしれない。王宮の宮殿は戦争で壊されてしまって、その後建て直されたものだそうだ。平日だったんできてるひとは少なかったんだけど、
　　　それがかえっていい静かさとなって時間がとまったような感じだった。宮殿の奥に博物館があって昔のミャンマーの王様のいろんなものが展示してある。
　　　そこで飲み物を売っていた女の子に「タナカ」のことをいろいろ聞いてみた。最近はタナカをしない女性や子供もいるらし。おしゃれを気にして塗ってるらしい。
　　　また門のところまで帰ってくると、やっぱドライバー君は寝てた。ホテルまで帰るのに大きな道を通らないで裏道を通って遠回りしてた。なんかワケあり？
　　　途中ＭＭＭの近くを通った。「ここは外国人が多くくるんだよ。ちょっと高いけど」と彼が言っていた。よく乗せてくるらしい。ビアーレストラン？みたいだった。
　　　王宮とかへ行くんだったらサイカーより、レンタル自転車で行ったほうが安いだろうし、歩かなくていいので楽かもしれないです。
　　　ホテルへ帰ってから昼メシを食った。近くにあるＰａｎ　Ｃｈｅｒｒｙっていうレストラン？でチャーハンみたいなものを食った。結構ヒトがいっぱいだった。
　　　食事をしてからゼージョーマーケットに行った。４階建のビルの中がすべてマーケットで結構広い。マーケットのまわりにも露天のお店がいっぱいでている。
　　　ここでロンジー（２ｍ×２ｍ）を９００Ｋで買った。昨日のビールとか食事の値段も見ても、ヤンゴンよりマンダレーのほうが物価安いんじゃん！？
　　　帰りにホテルちかくのアイスクリーム屋さんでアイスを食った。バニラが食べたかったんだけどないらしくてストロベリーにした。ちょっとへこんだけど
　　　とりあえず暑いなかを歩いてきたので美味しかった。１００Ｋだった。それからシュエチミンパゴダに寄ってお祈りをした。
　　　ホテルに帰って支度をして、昨日たのんでおいたタクシーで空港に向かった。今日は５０００Ｋで払った。　
　　　マンダレー空港はなにもないひろーい田園の中に新しい建物がポツンと建っているって感じだ。搭乗券はやっぱフリーシートだった。飛行機はヤンゴンから
　　　飛んでくるらしい。そんなヤンゴンエアウェイズでバカンに向かった。

　　　　　　　　　　　
　　　マンダレーのカレー　　　　　　　　マンダレーヒルからの眺め　　　　マンダレーヒルの仏像　　　ちょっと気になる仏像　　　　　　王宮の宮殿

　　　　　　　　　　　　
　　　宮殿の博物館の女の子　　　　　　　マンダレーのチャーハン？　　　　　ゼージョーマーケット　　　　　　　　　バニラじゃなくてストロベリー

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