 旅のきっかけ かなり安いベトナムチケットが見つかった。 夏休み時期まで２ヶ月を切っていたのに、そんなチケットに空席があった。鳥インフルエンザの影響なのかこの時期ベトナム行きに空 席があるなんて．．．ていうか、最近はベトナムも人気がないのかなぁ。 ベトナムには７年くらい前、ＳＩＮＧＡＰＯＲＥに住んでいたときに行ったことがある。ただその時はホーチミンだけだった。 初めてＶＮに乗って、初めて行ったベトナムはまだまだ貧しい国だった。 そして、そんなホーチミンのサイゴンリバーの船着場でＣＯＯＬなクソがきと交わした会話は今でも覚えている。 アイツにまた会えたらなぁ．．．とありえない想いを胸に。 アジアンモンスーンが待つベトナムへぶらりぶらりの旅に出た。 ＨＡＮＯＩ ［ハノイに着いた］ 成田を出発し、台北トランジットで翌日のお昼にハノイに到着した。そう、このめっちゃ安いチケットはＣＩだったのだ。 ＭＡＩＬでＢＯＯＫＩＮＧしていた安hotelのドライバーが空港に迎えにきてくれていた。ピックアップするとは聞いていたけど、あまり期待し ていなかったんで結構うれしかったりした。ただ、あとでしっかりお金は取られたけど。 イノバイ空港は想像してたよりきれいだった。前回のホーチミンの空港の思い出があったからだ。 車で５０分ほどしたらハノイの街中に入ってきた。ハノイの一般住宅（特に郊外は明らかに）は３階建てがほとんどだ。あとでホーチミン へ行ったときに、その対照的な光景をまた想い浮かべた。アメリカの西海岸へ行ったことがあるヒトなら、ロスとサンフランの街並みの 対照的な光景を思い浮かべるだろう。さしずめハノイはベトナムのサンフランといったところだろうか。 ハノイの旧市街は古い街並が続き、それでいてＨＯＮＤＡの行き交う喧騒の中にあった。 ハンガー通りにあるhotelにチェックイン。マネージャーのグエンさんは気さくに応対してくれた。部屋はそこそこだがトイレ・シャワー・Ｔ Ｖに冷蔵庫付きで１５ＵＳ＄だ。まあそんなもんか。 少し休んでから、いつものように外をぶらぶらしてみた。とりあえず一番近いハンザ市場へ行き、お昼も少しすぎていたのでお決まりの フォーを食べることにした。チャンフー通りとチャンティ通りとハンポン通りにまたがるところに食堂街がある。ここは最近観光用に食通 りとして作り変えたらしい。   そこでひとりの少年が勧めるフォーの店に入って「フォーガー」を注文した。母親といっしょにいそがしく働く少年を眺めながらフォーガ ーを食った。本場のフォーは７年ぶりだ。汗かいて食ったったフォーガーはうまかった。 食ったら歩く。これが基本。「ハノイに来たらホーチミン廟へ行ってみるだろうフツー」、と思いｔａｘｉに乗って行ってみた。が、なんだか閑 散としている。ただでさえ広い広場に人影なし。通りかかった軍人？っぽいヒトにと聞いてみたら「９：００〜１１：００しか入れないヨ」と言 われた。行き当たりばったりの自分にはよくあることだ。ていうか、どうでもいいけど超アツイ！  ホーチミン廟は誰もいないし暑いし しかたないので、とりあえず木陰に行くとそこにいた２〜３人のバイタクのにいちゃんから「どこへ行く？」と、お決まりの文句。 値段交渉にそんな時間はかからなかった。１時間２ＵＳ＄でＧＯ！   タイ湖（西湖）は広かった ホン河（紅河）はハノイという名前の由来でもある まずは、タイ湖へ行きチャンクオック寺を観て、それからロンビエン橋へ行ってホン河渡ってみて、そして軍事博物館へ行き、そこでちょ うど１時間になった。途中、「歴史博物館は行くか？美術博物館はいいゾ！」というにいちゃんのひつこいオファーは全て無視。戦争博 物館で「ここでいいよ、はい２ＵＳ＄ネ」と渡すと、「まだ、ここもあそこも行ってないじゃなか？！」という罵声を振り切り博物館へ。 前にホーチミンへ行ったときも戦証博物館へ行ったことがあるけど、ハノイは北の歴史があるのだろうと思い入ってみることにした。 ベトナム戦争で知っていることは、沢田教一さんのことくらいで、あとは一時期よくビデオで観たフルメタルジャケットなどのアメリカのベ トナム戦争映画くらいだ。沢田さんが撮影した写真のなかでも、ベトナム中部のロクチュアンでの「安全への逃避」と、フエ市街戦での 「戦火は絶え間なく」は、世界のひとびとのこころを揺り動かした。 インドシナの共産化を阻止するためにアメリカが、というよりベトナムが払った犠牲はあまりも大きい。そんな戦争の記録も、ひとびとの 記憶が劣化するのに比例して風化していくのだろうか．．．． 博物館の道隔てた前には大きな公園があって、真ん中に大きなレーニン像が建っていた。今どきこんなもんロシアでも少ないよなぁ、 と思いながら文廟まで歩いて行った。交差点では信号待ちのＨＯＮＤＡ軍団が、青になる前でも一斉にスタートする。台湾やマレーシア でもよく見かける光景だけど、ここは規模がひとまわり大きい、ていうよりある意味ウザイ！７年前のホーチミンでもバイクはよく見かけ たけど、まだチャリのほうが多かった。そして今回はＨＯＮＤＡの喧騒と、逆に見かけなくなったアオザイ姿が対象的だった。 文廟の近くの路上では屋外床屋が営業していて、中国将棋をする老人たちや、東南アジアでよく見かけるいわゆるセパタクローのよう な球でサッカーをして遊ぶ子供たちなどがいて、のどかな雰囲気だ。   文廟は孔子廟だ バイタクに乗ってホアン・キエム湖へ 文廟を出るともう夕方の時間に近づいていた。バイタクをひろってホアン・キエム湖まで。 湖岸には遊歩道やベンチがあり多くの市民が散歩や生チャットでたたずんでいる。東南アジアはどこでもそうだが、夕方から深夜にか けてがお出かけの時間になる。アイスを買って歩きながら食った。 ハンガイ通りに入るとＳＨＯＰやお土産屋さんが多くある。木製のブレス２個を買った。 夜メシは昼間と同じ食通りへ行ってみた。道端で簡易のテーブルとイスが多く並べてあり、屋台ムード満点だ。みんな鍋のような料理 を食っていた。たくさんの野菜やインスタント麺などの具がのってる。ｈｏｔｐｏｔというメニューらしい。見るからに安そうだけど、なんかメッ チャうまそうで食ってみたかった。結局海鮮屋台でカー・コー・ト、ムック・サオ・ズア・レオ、ソイ・ガー・ラー・センを食った。ｈａｎｏｉビール も飲んでみた。疲れていたのもあってｈｏｔｅｌでは早めに寝た。 ［出来事］ そして深夜にものすごい音を耳する。でも眠いのでそのまま寝続けていた。 翌朝目を覚ましてシャワー室に行くと事件はおきていた。 シャワー室の鏡が壁から落ちてこなごなになっている。おまけに洗面ユニットにあたったのかユニットの角が欠けていた。「あれ？．．． そうか、夜中の音はこれだったんだなぁ」と思い出した。しかたなくシャワーで顔を洗って歯を磨いて、出かける用意をした。 フロントに行ってチェックアウトの時間を確かめて、鏡が壊れたことを言うと、マネージャーのグエンさんが自分を引っ張るように部屋に 連れていき、割れた鏡が散乱するシャワールームを見て、いきなり顔色を変えて（マジでいままでとは別人のような顔つきだった）「弁 償してもらうからな！」と言う。もちろん勝手に落ちたものの損害を自分が払う必要もない。「自然に落ちたんだから関係ないヨ！」ＶＳ 「あれは最近つけた鏡で自然に落ちるはずがない。部屋にいたのはオマエだけなのだからオマエが弁償しなきゃダメだ！」 この会話の繰り返しに１時間も費やして、おまけに警察を呼ぶというので「好きにしろ！」とこっちも後に下がれない。夕方ダナンに向う まではｈａｎｏｉをゆっくり歩こうと思っていたが、外は朝早くからしとしと雨が降り続いていた。 マネージャーのグエンは、「弁償するまでパスポートは渡さないからな！」と言っていた。ベトナムでは安宿でも（だから？）チェックイン のときにパスポートをあずける。要はデポジットの代わりなのだろう。まあ、空港へ行くまでは預かっもらったほうがいいけど。 押し問答の末、ちょっと出てくると言って宿を出た。雨がふっていてもせっかくの時間をムダに使いたくないので街を歩いてみることにし た。時間がたてばあっちも落ち着くかもしれないという期待もあったのだけど。   ダックキムのブンチャーは☆３っつです！ ハ！っとするくらいの帽子の山．．．．すべった? ダックキムへ行き、有名なブンチャーを食った。たしかにボリュームはあって揚げ春巻きも大きい。ひとりでは食べきれない量だ。ロー カルがバイクなどでひっきりなしに来る。出すものが決まっているので回転はかなり速い。食べ終わった頃には雨も上がっていた。 ドンスアン市場へ行き散策した。日用品が山積みになっている。外へ出てしばらく歩いていると、男の人が数人でパイプ煙草を吸って いた。このパイプハノイの街中でときどき見かけた。「オマエも吸ってみるか？」と言われてためしてみたけど、予想どうりむせてしまっ て笑われた。アラブの水パイプもそうだが、慣れないものを吸うのは苦手だな。ちゃんと吸い方を教えてもらったけど、もう吸うことはな いだろう。 東河門を通って、ハンガイ通りを歩き、シクロ軍団（白人の団体御用達）を横目で見ながらホアン・キエム湖に。玉山祠では子供から 大人まで大勢が釣りをしていた。中国とかでもよく見かけるけど、水があれば魚（食料）がいるという発想なのかもしれない。 たまに行き交う人を眺めながら、湖岸のベンチで１時間ほどまったりしていた。こういうシチュエーションは、わりと好きかも。 まったりしてるのも飽きたので（これも基本）、市劇場まで歩いていった。チャンティエン通りを歩いていると人だかりがしているアイス屋 さんがあったのでガリガリくんを買って食った。ウソ、棒アイスを食った。国営デパートも思ったより品数が多い。 まだ少し時間があったのでハノイ大教会へ行った。途中で学校帰りの子供たちを見た。親がたくさん迎えにきていた。この近くに楽器 を売る店が並ぶ通りがあり、太鼓のような楽器を作っているところも見た。 ４時すぎにｈｏｔｅｌに帰った。グエンの態度は変わっていなかった。空港へ行く時間が迫ってきたときにグエンが、折半でどうだと言い出し た。全部でＵＳ＄５０だと言っていたのをＵＳ＄３５の半額で我慢する、と言う。「我慢ってどういうことだ！」と思ったが、これ以上は譲れ ないという態度だし、パスポートがないとダナンへ行けないので、納得できないけどしかたなく呑むことにした。 この出来事はムダ金を取られたというのもそうだけれど、あんなにやさしそうだったグエンの顔つきがこんなにも変わってしまったことの ショックのほうが大きくて、かなりィ凹んだ。 用意してもらったＴＡＸＩに乗り込み空港へ。 途中、紅河を渡るときに「レッドリバー、レッドリバー！」とドライバーくんが説明してくれた。ベトナム北部のヒトにとっては紅河は南部の メコンに匹敵するくらいのポジションなのかもしれない。ていうか、ハノイという名前の由来は紅河の堤防に囲まれた地という意味がある ようだ。それと、ハノイの少し郊外にインターナショナルシティーと呼ばれる新興住宅地があって、ドライバーくんがわざわざそれを見せ てくれた。まるで上海の新しい大きなコンドミのようだ。最近はベトナムにも成金がいるらしい。どっちも共産党政権で社会主義国なのに ありえない話だ。主義主張もあったもんじゃないぞ．．．中国もベトナムも！ ドライバーくんは途中の停留所で友達を見つけて彼も乗せていった。アジアでもアラブでもよくあることなので慣れているけどね。 ［ホイアンへ］ ダナンに着いたのはもう８時を過ぎていた。 とにかくタクシー会社のメーターｔａｘｉをさがすけど、なかなか見当たらない。ていうか他のドライバーが「乗ってけ！」とじゃまする。メー ターがついたｔａｘｉがいたのでそれに乗ることにした。でも完全に個人ｔａｘｉでちと不安。 １時間くらいでホイアンのとあるｈｏｔｅｌに着いた。言いもしないのに勝手に。「じゃなくて、このｈｏｔｅｌに行って！」と言う。普通、近くになっ たら「ホイアンのどこへ？」って聞くだろうが！ チェックインして屋上の部屋へ。なかなか広くて７ＵＳ＄だが、所謂だだっぴろい部屋で何も無い。とにかくもう１１時近くになっていたの で早めに寝た。   |